遺伝子検査

検査種類

検査項目 用途 検査対象サンプル
細胞診-塗抹 組織検査
(セルブロック)
イヌ c-kit遺伝子変異検査
(Exon 8, 9, 11 セット検査)
肥満細胞腫
GISTに対するイマチニブ、
トセラニブの効果予測
ネコ c-kit遺伝子変異検査
(Exon 8, 9 セット検査)
イヌ BRAF遺伝子変異検査 尿路上皮がん
前立腺がんの診断補助
イヌ HER2遺伝子コピー数異常検査 尿路上皮がんのラパチニブ効果予測
乳腺がんの予後予測
イヌ BRAF + HER2セット検査 尿路上皮がんの予後予測
イヌ リンパ球クローン性解析 悪性リンパ腫の診断補助
T / B鑑別
ネコ リンパ球クローン性解析
イヌ乳腺 マイクロサテライト解析 乳腺腫瘍の悪性度判定
イヌ MDR1遺伝子変異検査 薬剤感受性予測
イヌ バベシア感染症遺伝子検査 感染病原体の同定
ネコ カリシウイルス
(FCV)感染症遺伝子検査
ネコ ヘルペスウイルス(FHV-1)
感染症遺伝子検査
ネコ ヘモプラズマ(旧ヘモバルトネラ)感染症遺伝子検査
フェレット アリューシャンミンク病パルボウイルス(ADV)感染症遺伝子検査
  • ※上記はすべて、弊社での病理検査後、有限会社カホテクノ(福岡県飯塚市)への再委託検査となります。なお、検査報告書の発送及び検査費用の請求は、弊社からとさせていただきます。
  • ※報告までの日数は、全検査とも弊社受付後2週間程度です。
  • ※価格につきましてはお問い合わせください。
  • ※組織検査からの場合、ホルマリン固定期間を最小限にとどめて作製したパラフィン包埋組織を使用して検査を行っていますので、DNA断片化による解析不能の頻度はごく僅かです(0.06%以下:過去5年2022年時点)。
  • ※腫瘍関連の遺伝子変異検査では、サンプルに含まれる腫瘍細胞の量と比率が高いほど正確な結果となります。
  • ※当社の遺伝子検査は、病理診断医が遺伝子検査に最適な腫瘍部位を指定し検査をするため、より確実な結果がえられます。このため、検査希望であっても病理診断医の判断によっては、遺伝子検査をおすすめできない場合もあります。
  • ※なお、解析不可能だった場合にも検査料が発生いたしますので、予めご了承ください。

c-kit遺伝子変異検査について

イヌ ネコ
(a) Exon 8 ITD
(b) Exon 9 c.1523A>T
(c) Exon 11 ITD
(d) Exon 11欠失挿入(Indel)変異
(e) Exon 11 c/1724 T>C
(a) Exon 8 ITD
(b) Exon 9 c.1430 G>T
(c) Exon 9 c/1517_1518 delinsTT

解析内容

  • c-kit遺伝子からは、細胞増殖に関わる細胞膜上の受容体蛋白質であるKIT蛋白が合成されます。c-kit遺伝子の高頻度な突然変異により生成された異常なKIT蛋白が、細胞増殖シグナルを核に伝達し続けて、過剰な細胞増殖が引き起こされ、一部の腫瘍性病変が形成されると考えられています。
  • 肥満細胞腫や胃腸管間質腫瘍(GIST)では、腫瘍細胞にc-kit遺伝子の機能獲得変異がみられる場合に、分子標的治療薬であるメシル酸イマチニブ(商品名:グリベック、ノバルティスファーマ社)での治療が有効であることが知られています。メシル酸イマチニブは、増殖刺激の伝達に重要な役割を果たす部位(ATP結合部位)に結合し、増殖シグナルの伝達を抑制することで、抗腫瘍効果を発揮します。
  • 特にイヌの肥満細胞腫の場合には、Exon8のITD変異(a)、Exon9の特定の点変異(b)、Exon11のITD変異(c)や特定の欠失挿入変異(d)を持つ症例で、メシル酸イマチニブの著しい治療効果が示されています。治療前に適切な治療薬を予測できますので、治療費軽減にもつながります。
  • なお、上記の遺伝子変異が陽性の症例であっても、二次的遺伝子変異が起こることなどにより、メシル酸イマチニブ抵抗性を獲得することがあります。

BRAF遺伝子変異検査、HER2遺伝子コピー数異常検査について

イヌの尿路上皮がんの診断補助、ラパチニブ治療の効果予測、予後予測などの情報をえることができます。詳しくはこちら

リンパ球クローン性解析について

イヌ、ネコの悪性リンパ腫で、T細胞性またはB細胞性の鑑別を行うことができます。
免疫染色を用いたT/B鑑別では、腫瘍細胞がT/Bどちらのリンパ球に由来するかを形態学的に観察できる有意性がありますが、観察可能な細胞数がある程度必要なため微量検体の場合にはクローン性解析が有用です。特に、細胞診では悪性リンパ腫疑いで確定できない場合や、内視鏡生検の組織検査で「IBD」と「悪性リンパ腫」を鑑別する場合には、病理検査の診断補助としてクローン性解析が有用となります。

乳腺マイクロサテライト解析について

イヌの乳腺腫瘍では、細胞診での細胞異型所見が悪性度に反映されないことが知られており、良・悪性の判断がつかない場合が多くあります。マイクロサテライト解析で、ゲノム不安定性陽性が示されると乳腺腫瘍が悪性である可能性が高いことが示されています。
高齢のため、手術が困難な症例や細胞診の結果のみでは手術に踏み切れない、摘出すべきか迷う症例に適した検査です。細胞診と同時のお申込みでお得なセット割引もございますので、お問い合わせください。

検査についての詳細はこちら

MDR1遺伝子変異検査について

イヌにおける薬物の体内動態に関係するタンパク質の1つ「MDR1(P-糖蛋白)」をコードする遺伝子のホモ接合体変異を検出します。下記コリー系のイヌの中にはこの変異を有する個体がおり、これら個体では、一部の抗がん剤や抗生物質、駆虫薬等の薬剤に対し用量依存性に副作用が出現することが知られています。病理検査サンプル内の正常(非腫瘍)組織から採取したDNAを用いて、副作用出現の予測を行うことができます。

対象犬種:コリー、ボーダーコリー、シェットランドシープドック等
留意する薬剤:ドキソルビシン、パクリタキセル、イベルメクチン、シクロスポリン等

感染症遺伝子検査について

イヌ バベシア症

  • バベシア原虫の赤血球寄生によって引き起こされる、溶血性貧血が主な症状である感染症です。西日本を中心に多発していますが、最近では東日本での発生も報告されています。
  • 血液塗抹標本で陽性あるいは偽陽性となった例でも、感度・特異性に優れたPCR法での検査ですので、免疫介在性溶血性貧血との鑑別に有用です。

ネコ カリシウイルス感染症

  • ネコカリシウイルス(FCV)は、難治性口内炎の原因となることが知られています。局所での感染が確認できれば、治療方針を決定する際の参考となります。

ネコ ヘルペスウイルス感染症

  • ネコヘルペスウイルス1(FHV-1)は、呼吸器疾患の主な原因となるウイルスで、角結膜炎などの眼疾患とも関連しています。

ネコ ヘモプラズマ症

  • ヘモプラズマの赤血球寄生によって引き起こされる、溶血性貧血が主な症状である感染症です。
  • 国内で感染が認められる2株(旧ヘモバルトネラ OF/OK株と旧ヘモバルトネラCA/BM株)それぞれについて感染の有無を、PCR法で検査します。

フェレット アリューシャン病

  • アリューシャンミンク病パルボウイルス(ADV)がフェレットのアリューシャン病の原因とされています。

詳しくはお電話、またはFAXでお問い合わせください。

お電話でのお問い合わせ
フリーダイヤル 0120-982-727

受付時間:9:00〜17:00

FAXでのお問い合わせ
フリーダイヤル 0120-982-728